神経ブロック療法

神経ブロック療法・
対象の疾患

神経ブロック療法とは

「神経ブロック療法」という聞きなれない言葉に皆さんは不安を感じるのではないでしょうか?「神経ブロック療法」というのは、神経を切ったり殺したりするものではありません。また、神経に麻酔をかけるだけのものでもありません。

「神経ブロック療法」とは、神経の周囲や神経内に局所麻酔薬を注入することで神経の血流を良くし、
傷ついた神経を治す自然治癒力を強くします。同時に、過敏になった神経の状態を正常に戻す働きをします。使用する針は大変細いものを使用し、注射する前に必ず痛み止めを行います。ご安心ください。

対象の疾患

椎間板ヘルニア・狭窄症

椎間板ヘルニアや狭窄症の原因は、変形した骨や靭帯および椎間板が、周囲の神経に当たって神経に傷がつき、腰痛や坐骨神経痛、上肢痛を引き起こしているのです。

ペインクリニックでは、注射により傷んだ神経を回復させる力を強くします。

変形した骨や椎間板が元通りになることはありませんが、突出したヘルニアは時間が経つと、自然に小さくなることもあります。また、少しでも神経から離れてしまうと、ヘルニアがあっても問題なく生活できます。ヘルニアの8割以上が手術しなくても治ると言われています。

ペインクリニックではブロック注射や投薬により、傷ついた神経の炎症をいち早く改善し、痛みを緩和して、少しでも楽に生活できるようサポートいたします。

胸部・腰部の圧迫骨折

胸部や腰部の圧迫骨折の痛みも大変つらいものです。動くと痛いためにトイレへ行くのも大変で日常生活が困難になります。じっとしていても痛みが起こり、ひどい時は、腰や背中の痛みだけではなく、坐骨神経痛や肋間神経痛も生じます。
高齢な方に多くおこる病気ですが、痛みで動けなくなると、短期間で下肢の筋力が低下すると同時に食欲もなくなり、体力も弱って寝たきりになってしまいます。一刻も早く痛みを軽減し、元の生活を取り戻すことが大切です。

ペインクリニックでは、傷んだ神経の周りに注射をすることで、痛みを早く軽減し、
同時に集中的なリハビリを行うことによって、寝たきりになることを防ぐよう努めています。

痛みが軽減すると、食欲も回復し、生きる元気も回復します。いつまでも自分の足で生活できることが高齢者にとっては、最も大事なことだと思います。介護が必要な時は、併設するアマニカスでお世話します。

帯状疱疹

帯状疱疹の痛みに対しても神経ブロック療法が有効です。帯状疱疹では、ウイルスによって神経に炎症が起こり、傷ついた神経が神経痛を引き起こします。全身の様々な場所に感染が起こります。

発症からできるだけ早い時期にブロック治療を始めることが必要です。

傷ついた神経の周りの血流を繰り返し良くすることで、自らの自然治癒力を強め、傷んだ神経も回復しやすくなります。帯状疱疹は、1ヶ月ほどで皮膚の水泡は治りますが、傷んだ神経がなかなか治らないのが特徴です。皮膚の水疱が出たら皮膚科を受診すると同時に、早期に神経痛の治療を始めることが非常に大切です。帯状疱疹にかかったら、すぐにペインクリニックにも相談しましょう。

五十肩、変形性膝関節症

五十肩、変形性膝関節症など関節内への注射も行っています。

五十肩といわれる肩関節周囲炎は、軽症から重症まで様々で、重症になるとなかなか治らず、痛みで使えないうちに拘縮も始まり、全く使いものにならない腕になります。そのうち治ると思い放置しているケースが多いですが、こじれると治るのも時間がかかり大変です。なるべく早く治療しましょう。

年をとると膝の軟骨や半月板が変形し、膝の痛みが生じやすくなります。また、膝周囲のじん帯も傷めやすく、膝内側の痛みが多くなります。注射で変形を元通りにすることはできませんが、ヒアルロン酸を膝の中に打つことで、膝の内部を保護し、痛みを緩和します。じん帯の痛みも緩和できます。ぜひご相談下さい。

ブロック治療をしばらく行っても十分な結果が得られないときは、
周囲の大きな病院と連携を取り、手術なども検討しています。
手術までの間、つらい痛みをブロック治療で緩和することもあります。

患者さまに最も合った方法を
一緒に考えていきます。

千里ペインクリニックで行っている神経ブロック治療

  • 三叉神経ブロック
  • 星状神経節ブロック
  • 硬膜外ブロック(頸部/胸部/腰部)
  • 仙骨硬膜外ブロック
  • 腕神経叢ブロック
  • 神経根ブロック(頸部/胸部/腰部)
  • 椎間関節ブロック(頸部/胸部/腰部)
  • 脊髄神経後枝内側枝高周波熱凝固(頸部/胸部/腰部)
  • 肋間神経ブロック
  • 大腰筋溝ブロック
  • 椎間板内注射
  • 仙腸関節ブロック
  • 末梢神経ブロック
  • 肩関節内注射
  • 股関節内注射
  • 膝関節内注射
  • トリガーポイント注射
  • ※頸・胸部硬膜外は透視装置を使います。腰部も術後や変形が著しい時は、透視装置を用い、安全に素早くブロック治療を行います。
  • ※エコーを用い、様々なブロック治療を安全かつ正確に行います。
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投薬治療
リハビリ
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