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腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは、背骨に囲まれた脊柱管という場所が狭くなる病気です。脊柱管の中の脊髄や血管が圧迫されて、血流障害を引き起こし、腰痛や下肢の痛みやしびれなどさまざまな症状が現れます。原因は加齢による椎間板の変性や脊椎の変形、靭帯の肥厚などによります。特に、腰椎変性すべり症や変形性脊椎症などに伴って発症することが多いです。すべり症のある方は、40歳代から発症することが多いです。歳を取るとともに進行します。

痛みやしびれがあると、日常生活に支障をきたします。歩行できる時間が短くなり、痛みやしびれが強くなり、いったん休憩しないと歩き続けることができません。これを間欠性跛行と言います。

治療法は、投薬、神経ブロック治療、手術などです。当院では、神経ブロック治療を行っています。

脊髄の近くの硬膜外という場所に、局所麻酔薬を3~5ml注入すると、交感神経が遮断され、腰の血流がよくなります。狭窄症で圧迫されている血管の血流も改善します。血流がよくなることで、神経の傷も治りやすくなります。治療期間は、重症度によってさまざまですが、基本的には、初めのうちは週1回行い、症状が改善すれば、2週間に1回、3週間に1回といったようにだんだん間隔を開けていきます。長年使ってきた機械が故障すると修理に出しますよね。傷んだ部品を交換すると故障も治ります。人間も同じで、長年使ってきた腰のある部分が故障します。放っておくと、使えなくなってしまうので、ブロック治療をして修理するわけです。しかし、機械のように部品交換ができません。できるだけ修理して、大事に使ってもらいます。調子がよくても、時々、油を注してあげると機械も故障しにくいですよね。それと同じで、調子がよくても時々、ブロック治療をして血流をよくしてあげると、神経のダメージも軽減できます。

こんな風に治療しながら、何年も上手にお付き合いしている患者様は多数いらっしゃいます。神経ブロック治療は怖いと思わずに、どうぞ気軽にご相談ください。

症状が軽いうちに治療を始めた方が神経のダメージは少なく、回復も早いです。一生使っていかないといけない大事な神経です。早くから保護していきましょう。

院長 松永 美佳子